ケアンズに戻る

昨日、1週間ほどの休暇で戻っていた日本から帰って来た。夜明け前の4時過ぎにケアンズに着いて家で少し休んだ後、10時開店に合わせて店に行きそのまま仕事をこなして長い1日が終わった。この日、作れた売上はほんの僅かで寂しかったが、とにかく店を開けなければと1週間空けた分を少しでも取り戻したいと、何しろ気持ちだけが先に向かって焦ってしまった。


しかし、日本は暑かった。海の日の祝日は都心でも37度近く温度が上がって、「日本の7月ってこんなに暑かったっけ」と久々に日本の夏を過ごしたが暑すぎて「やっぱり日本に帰るなら秋か冬がいいかな」とこの時期は敬遠したくなった。でもこんな暑い時でも近くにある銭湯には2回も行ってしまった。


家では88歳になる父親の要望で普段出来ないことをこなした。庭には父親が昔に作った池があり金魚がいる。その苔で緑に染まった池の掃除や6年前に母親が亡くなってから1度も干してないという布団を屋根に担いで上がって炎天下での布団干し、一番しびれたのは出発当日に頼まれた庭回りのボウボウに伸びた雑草毟り等々。


お陰でその日最後に挨拶するはずだった母親のお墓には出向けなくなってしまった。出発前日は枕を洗って壊してしまった代替の洗濯機を買いに駅前にある電化製品の量販店に行って即座に購入、無理を言ってその日の夕方に配達して貰い、さらに取り付けまでしてもらって尋常一様に外れた日本のサービス度の凄さをあらためて実感した。


妹が実家に寄った日には3人で行った墓参りで母の墓前に手を合わせて「お父さんよろしくお願いします」と父親が元気でいるように頼んだ。墓石は灼熱の太陽が照り付けていて「お母さんもこれでは暑いのでは」と何度も柄杓で棹石に水をかけてあげた。アッという間に過ぎた1週間だったけど、帰り際、玄関先で父親と「じゃぁ、元気で」と軽く挨拶を交わして、再び戻って来る2年後の祖国を後にした。