また、いつか会おうね、ハチ。

今週の日曜日、13年間自分たち家族と共に暮らした飼い犬の柴犬ハチが天国に旅立った。それは本当に突然のお別れだった。この日、早朝に芝刈りをしている時にいつものように自分の前を歩くハチ、芝刈りを手伝っているつもりでいる。芝を刈り終え店に行こうとすると庭のゲートの前で「自分もいっしょに連れてってくれ」とじっと待っている。


「ハチも行きたいの?」と車に乗せて店に向かった。店に着くといつものように奥のバックヤードにハチを入れた。そして「ハチ、ここで待ってな」と言ったこの時に見たハチの姿が最期になった。この日は午後から激しい夕立があった。夕方には雨も止んで6時過ぎに「ハチ、帰ろう」とドアを開けると前に血を吐いて倒れているハチがいた。


「ハチ、起きろっ」何度もハチの体を揺すったがハチはもう死んでいた。信じられなかった。朝は元気だったハチが。。。 かみさんが店に来るなりバックヤードで死んでいるハチを見て泣き崩れた。「何があったの。。。」と。こんな狭いコンクリートの中で。。。自分がもっと早く気付いていれば。。。「ごめんな…ハチ。。。 ごめんな。。。。」涙がこぼれ落ちる。苦しんだんだろうか? ただハチの顔は安らかに見えた。体も雨で濡れていない。まだ温かいぬくもりがこの時は残っていた。


火曜日に息子もシドニーから駆け付けた。ハチは息子の誕生日のプレゼントでうちに来た犬。その日、動物病院のフリッジに凍ったまま眠っているハチと対面した。来週の火曜日にハチは灰になって家に帰ってくる。URNには息子の作ったメッセージが添えられる。「YOU ARE ALWAYS IN OUR HEARTS」。


かみさんが言った。突然逝ったハチは「死は突然やって来る、だからもっと人生を大切にして生きて欲しい」と自分たちに教えたかったんだよ。振り帰ればいつも仕事ばかり、ハチはいつも暗くなるまでひとりぼっちで自分たちの帰りを家で待っていた。時よりハチが庭から見る山の遠く一点をずっと見つめていたのを思い出す。


昨日は自分の還暦の誕生日、久しぶりに家族3人レストランで息子のリクエストであるステーキ屋で食事をした。かみさんが「あなたはこれから厄年なのでハチがすべて厄を持って行ってくれたのよ」と言った。「じゃぁ、俺の身代わりになったの?」もしそうならハチは自分のために死んでしまったのか?


家の庭を見渡すと今でもハチがどこかにいるような気がしてならない。「ハチ~」と庭で呼ぶのは今の日課になってしまった。もう一度ハチに会いたいと思う気持ちがまだ抜けきれない。もう、あっちに行ってしまったかな。。。最期まで何の苦労もかけずに逝ってしまったハチ。13年間自分たちをずっと癒してくれてありがとう。また、いつか天国で会おうね。さよなら、ハチ。