移民の国、オーストラリア

今月の26日は「オーストラリア・デー」、オーストラリアの建国記念日だ。制定が決まった理由は今から229年前の1778年1月26日のこの日、主に政治犯として捕らえられた囚人たちがイギリスからの艦隊11隻に乗せられてシドニー港に着いたことから始まった。この当時オーストラリアはイギリスの囚人たちの収容所だった。


これが何故、国民の祝日なのか? オーストラリアは移民の国、実に4人に一人が移民としてのルーツを持つ。囚人たちがオーストラリアに着いたこの日がオーストラリアの建国の始まりとして認識され、後にこの1月26日が建国記念日として制定された。移民の受け入れが始まった日だが、今ではオーストラリア人の誇りを感じる祝日として各地でフェスティバルやイベントが開かれている。


ただ、この「オーストラリア・デー」は祝賀のイメージがある一方で暗い過去も存在した。もともとここにいた原住民のアボリジニーは、移民によって広がった白人からの弾圧とその犠牲が繰り返され、アボリジニーにとって1月26日は「侵略の日」として今でも根強い反感が残るオーストラリアの「光と影」が映し出される。


オーストラリアにずっと暮らせる永住権を取得した後に一定条件を満たすと、晴れてオーストラリア国民として選挙権などを有する市民権が与えられる。この市民権の授与式が実はこの1月26日の「オーストラリア・デー」だ。移民の国オーストラリア、様々な民族がひとつになったワンネーションの記念日だ。