今後のカンガルーの保護

昨年に起ったオーストラリア過去最大の森林火災によって何十億をいう動物が死滅したのは記憶に新しい。普段は水を飲まないコアラが火傷を負って水の入ったペットボトルを飲んでいる姿は痛ましかった。炎に包まれて行き場がなくなって死んだカンガルーの死骸の山が映された時は目を覆った人も多いと思う。


こんなオーストラリアの動物たちの悲劇とは別に今回カンガルーの保護についてその議論が国内外で沸き起こっている。オーストラリアの動物保護団体はカンガルーの殺処分については以前から意義を唱えていた。N.S.W議会の動物正義党の議員は今回カンガルーの食肉等での殺処分についてその禁止の法案を議会に挙げている。


これとは別に海外からもアメリカ連邦議会下院で動物保護の観点からオーストラリアからのカンガルーの食肉、皮革製品の輸入の禁止の法令が提出された。森林火災で多くの動物が失われた中でオーストラリアの国章にもなっているカンガルーを何故殺すのか?と。そのカンガルー産業に対して疑問を投げかけた。


50種類ほどのカンガルーの中でも狩猟が認められているカンガルーは6種類だけ、殆どが食肉や家畜のえさとして出回り余った革が皮革製品として加工されていく。このカンガルー産業の売上高は実に年商2億ドルにも達している。そしてその仕事に従事するのは殆どが先住民たちだ。そう遠くない将来、カンガルー皮革のお土産品は殆どが姿を消すことになるのではないだろうか?