心の支え

日曜日も朝から店を開けてお客さんの来店をずっと待っているが、今のところ一人の来店客も無い。通りに人も殆ど歩いておらず静かな閑散とした日曜の昼下がりだ。ラジオの音楽が店内に響く以外、街を歩く人の雑音も特に感じることも無く、ただ時間だけが流れているような気だるい無機質な午後が続いていく。


オープン当初からうちの店を支援してくれた日本の大手クレジット会社との会員向けの優待サービスについて、その更新の断りを通知したところ先方より丁寧な文面で返答を頂いた。これを見て涙が溢れそうになった。スタッフの皆さんが悲しく思っている趣旨の文が書いてあり、ねぎらいの言葉が最後に寄せてあった。


こうしてこれからも一人ひとり今まで関わってきた人たちに対して、今後についての方向を知らせて行くんだろうなと思うと心が奥底まで沈んでいく。ひとつひとつクリアーにして行くことで自分たちの歴史のページが一枚ずつ消えて行くようで、何ともやるせない気持ちに駆られていくが仕方がない。


今日もお世話になった人の顔を思い浮かべながらページを消す作業をひとつこなした。でも悪いことばかりでもない。諦めかけていた今日の売上だったが閉めようと準備したちょうどその時、以前買い物をしれくれたお客さんが再び来店してくれて最後に思いがけないものをたくさん買ってくれた。今はこれが心の支えになっている。