アラフラ海の島人

先日、トーレス海峡諸島から来た人がココナッツオイルを買いに来た。最近よくこのトーレス諸島から来た人達がうちにこのココナッツオイルを買いに来る。何でもひと伝手に聞いて来たらしいが、実はこのココナッツオイルを作っている人物とはその昔トーレス諸島から渡って来たカイジ―という名のおじさんで今はマリーバでこのオイルを作っている。


どうやらそのカイジーがオイルはうちで買えると伝えているらしい。トーレスの人が入って来ると何やら店の中をキョロキョロ見渡しているのですぐ分かる。「探しているのはこれ?」とココナッツオイルを差し出すとはにかんだ笑顔でこっくりとうなずく。トーレスの人たちの間ではこのカイジーの作ったココナッツオイルはたいそう人気だそうだ。


トーレス海峡諸島は274の小島からなるサンゴ礁の島々で、クィーンズランド州に属するが海峡自治政府の島民による先住権限に基づいてその統治を行う最北端ヨーク岬とパプアニューギニアの間に位置するアラフラ海に列なる諸島で、現在はその中にある12の島に人が暮らす、俗に言う「アイランダー」と呼ばれるメラネシア系の先住民からなる、今も手付かずの自然が数多く残る美しい所らしい。


今、トーレスの人たちが自分の中で熱い。彼らは日本食品が大好きだそうで、中でもインスタントラーメンの「サッポロ一番」はイチバン人気だそうだ。曰く彼らは日本食を扱う小売店で爆買いをして島に持ち帰るらしい。かミさんに「うちでもサッポロ一番を置こうよ!」と言ったら無言になってしまった。ひと言に朴訥な人たちでこれからもうちの店に足を運んでくれること期待したい。