まだ遠い現実

政府は来月からオーストラリアなど比較的感染者の抑えられている国との渡航中止の勧告の段階的な解除の調整に入ったということだが、このニュースは待っていたことなので嬉しいけど素直には喜べない。日本が渡航を認めてもオーストラリアがこれを受けるとは現実に考えられないからだ。


たぶん日本は来夏のオリンピックに向けて外国人の入国に対して、その安全性の実績を積み重ねて行きたいのではないか。何が何でもオリンピックを成功させるという意気込みは肌で感じる、自分もこの悲願だったオリンピックの日本開催は是非成功して貰いたいと思う。だからここでオーストラリアやベトナムなどの国の人の受け入れは個人的には歓迎したい。


ただ、恐らくオーストラリアはここで素直に外国人を受け入れないのはもう分かっている。感染がほぼ収束している隣国のニュージーランドでさえ入国のための解除に至っていないのが現状だ。オーストラリアはここまでこのコロナ収束に向けて国力を挙げて取り組んで来た。今回、国民に差し出した援助は相当なもので日本とは比にならない。


勿論、人口が少なかったり国土が大きかったりと単純には比較できないが、この付けはこれからの若い人たちが背負うことになる。こうした犠牲を簡単には無駄に出来ないだろう。さらに国の中でさえまだ行き来が出来ない、南の州からバックパッカーなどがブッシュからクイーンズランドに入り込んで来るので、警察などがその対応に追われているなんて言うのも聞いたことがある。


今はケアンズで生き残っている観光従事者の殆どは国内の旅行者に切り替えている。外国人に比べてスケールは全然落ちてしまうがそこから色々な模索が始まっていて、現在のところ外国人旅行者はすでに諦めた感が強い。自分はまだ日本人が再びこのケアンズに来てくれることを諦めたわけではないが今はその時間があまりにも遠すぎる。