サンゴを守る

海の宝石と言われるグレートバリアリーフのサンゴ礁が危機に晒されている。過去25年間の気候変動によって半分のサンゴが死んでしまい、再びもとの状態に戻れなくなっていると警鐘を鳴らしている。枝サンゴやテーブルサンゴなどが最も影響を受けていて、この種のサンゴは最北部からダメージが始まり、このままでは世界遺産が失われる可能性があるかもしれないと伝えられている。


原因は海面水温の上昇による気候変動が要因で、健康なサンゴが水温の変化でストレスを受けることで鮮やかな色を失ってしまう白化現象が起きているらしい。さらに白化が進めばこの先復元することが非常に困難になり、さらにサンゴが縮小してしまうと大きく立体的なサンゴ礁が無くなり、隠れ場となる魚などの生態系にも影響を及ぼすと伝えている。


経済面でもコロナウイルスの流行以前はオーストアラリア経済に年間で40億ドル(約4200億円)の観光収入の経済効果を生んできた。2300キロにも及ぶグレートバリアリーフには他にも自然や科学、環境的にも計りしれない価値が含まれているという。オーストアラリア政府は今後グレートバリアリーフの長期的な生育環境を整える必要があると指摘している。


ケアンズの代名詞であるグレートバリアリーフを何としても守らなければならない。以前、日本人のお客さんがここより沖縄のほうがきれいだったと語っていたが、この言葉は正直な気持ちの表れだ。これから来る観光客のためにも本来あるべき色とりどりのサンゴ礁を見てほしい。今、自分たちに出来ることはこの事実を多くの人に知ってもらうこと。そして環境問題に少しでも興味を持ってもらうことだ。