あわせ鏡

もうすぐ母親の誕生日が来る、もし生きていれば今の父親と同じ85歳を迎えるはずだったが、天国でどうしているだろうか? 母親の郷里は福島県の猪苗代町に近い安達郡という夏は白い絨毯が敷き詰めたような蕎麦の花が咲き広がる、冬はたいへん雪深い裏磐梯でスキーが楽しめる自然豊かな所だ。


看護学校を卒業後、看護婦を目指して東京に状況、その後、港区にある病院で父親と知り合い、亡くなる一年前まで看護婦を務めた。母親の妹から聞いた話だが女学生の時に吹雪の中で看護学校の試験を受けるために、輪かんじきを履いて何時間もかけて雪をかき分けながら試験場に向かってたと教えてくれた。それから60余年という長きに渡って看護婦という天職を全うすることが出来て、故人にとって幸せな人生だったのではないだろうか。


そんな母親が育った福島だがよおく地図を見ると何だかオーストラリアに似てないだろうか? 地図で見ると北に位置するケアンズが福島では南相馬市の辺にあたり、南のいわき市がシドニー辺りに位置するだろうか? そのいわき市はケアンズがら南に4時間ほど南に下ったタウンズビルという町と姉妹都市の提携を結んでいる。因みにケアンズは栃木県の小山市と2006年から姉妹都市として提携すると双方の子供たちが毎年に渡りその往来を続けて来た間柄だ。


オーストラリアと福島県は他にも共通点が多い(悪までも自分の考えだが)。面積が世界で6番目に大きいオーストラリアと日本で3番目に大きい福島県は共に土地が広いがその割には人口が少ない。そしてどちらも農業を中心とした産業が基軸になっている自然が広がる豊なところだ。自分にも由縁のある福島はその遠洋に伸びる南半球オーストラリアと合わせ鏡になっている気がするのだが。。