自問

このコロナ禍の中で仕事を失ったり家を失った人が今、道の駅などの駐車場を滞留場所にして車の中で暮らしているという報道を目にした。いろいろな理由があってそこで車中泊に至っているようだが、殆どの人が車を所持しているという理由で自治体からの生活保護が受けられないのが現状だそうだ。車中で最期を迎えた高齢者も多いという。


「勝ち組」と「負け組」という社会の分断の構図が今の世の中には存在していると指摘していた。自分も負け組なので負け犬のように聞こえてしまうかもしれないけど、こういう社会の分断の仕方は何か悲しい。安定した生活を送る人と路上で迷う人に溝があってそれが比較される今の社会は全てではないにせよ何処か歪んでいるのかもしれない。


一生懸命に頑張って今の地位にいる人をもちろん称賛する一方で、コツコツと努力しながらやって来ても今回このコロナ禍の大きな波に飲み込まれてしまい、どうすることも出来ない人もいる。人生ってその時代のタイミングで本当に大きく、しかも簡単に左右されてしまうものだとつくずく感じる。もし、自分が80年代に同じことをしていたら今頃はケアンズのどこかに天空の城を築けていたかもしれないからね。


今の時代ってIT企業家やYouTuberなど年齢なんかに関係なくアイディア一つで大成功するケースが世の中に星の数ほど渦巻く夢のある社会がある一方で、時のいたずらからその人生を翻弄される別物の世の中も存在する。 ある30代男性の言葉が残る。「どこにも行けないし、誰にも相談出来なかった。正直、自分の気持ちもわからない。生きたいのか、生きたくないのか」。 このコロナ禍の世の中は特別な出来事かもしれないけど、それでも前を向いて生きて行くためには今、何が出来るのか自分自身に問いかけていくしか無いような気がする。ちょっと寂しい話になってしまったが。