奇跡の奇策?

オーストラリア政府が今朝発表した観光業支援策は、残念ながら自分たちに恩恵が受けられるような内容では全く無く、一縷の望みを託したジョブキーパーの代替策は微塵もなく期待外れに終わり落胆の色を隠せない。主だった支援策は国内旅行者への航空券の補助、小規模旅行社会向けの低利融資や航空会社に対する金融支援と自分たちにとっては的外れな内容だった。


スコット・モリソン首相は会見の中でこの支援策により国内旅行者が増え、ホテルやカフェの利用が拡大すると指摘したが、ケアンズのカフェは殆どのところが既に好調でこれ以上好調になるより絶不調の自分たちに支援を回して欲しかった。せっかく12億ドルの金額を使うのなら今、本当に困っているところに少しでも支援を回してくれればと思うのも無理はない。


外国人旅行者の依存率が高いケアンズでは国内旅行者では賄いきれないところが多々あることを知って欲しい。オーストラリア人はレストランやカフェ、特にバーなどでは容易にお金を使うが、例えばツアーなど通常の外国人旅行者が支払う料金で国内旅行者もそれと同じ金額で払うかと言えばそんなことは無い。


土産屋に至っては国内旅行者にとってそこはあまり興味が無いところ、この辺の観光業に対する本質が分かっていない。「コアラのぬいぐるみを誰が買うの?」と。しかし、もう他力本願は通用しないことが今日で明らかに。さて、これからこんな不毛の地ウルルのようなスペンス・ストリートで「奇跡の奇策」による起死回生の一発をどう起こすか?