願はひとつだけ

今日は妹の誕生日で早速「おめでとう」とお祝いのメールを送ってみた。すぐさま返答が戻って来てメールには週末に母のお墓参りに出向いたことや父親の健康状態などの内容が書かれていた。それから自分のことも大丈夫なのかと心配している内容が書かれていたが、何とかやっているとその場を取り繕った。


父親はここ最近、心臓が以前に比べて弱くなり、息切れがして遠出はきつくなったと書いてあった。自転車で10分ほどの距離にある母のお墓にもタクシーを使って言っているらしい。電話ではいつも大丈夫だと言っているが、妹の話では心臓の弁が弱っていて家にこもっている時間が多くなったと言っていた。


妹にはまだ当分の間、日本には帰れないので父のことは宜しく頼むと書いてはみたが、父の事はやっぱり気になる。父親との電話での会話の最後には必ず「いつでも戻って来ていいから、そっちがダメだったら日本に帰って来い」が口癖になっている。本当は自分たちに早く帰って来て欲しいんだと良く分かる。


一体どうすればいいのか、今は自分たちにも分からない。ただ、父が元気なうちに日本に帰りたいと言う気持ちは何よりも強い。お墓に眠っている母親も同じ気持ちに違いない。自分たちの願いはただ一つだけ、早く国境が開いて再び自由に人々が往来することが出来るようになることだけだ。