道なき道

棚卸しが終わり年度末の決算が準備された。今期も昨年同様の大幅な赤字になる。会計士の方から棚卸しはそんなに正確にやらなくてもいいよと言われた。もう赤字が分かっているので棚卸しも適当でいいという事らしい。それでも自分たちは例年通り棚卸しには時間をかけて正確に商品を数えた。


しかし1年かけて頑張って作った売上が通常の1カ月の売上にも満たないこの現状は淋しいのを通り越してもう笑うしかない。年間売上は実にコロナ前の15分の1で、その殆どが大幅な割引によるセールスによるものでその利益など殆ど無い。こんなこと1年間やって来て一体何だったんだろうなとあらためて痛感する。


今回はそれ以外にも食品などの期限切れによるロスも響いた。特にオーガニックのスキンケア商品は有効期限が短かかったため大半が処分になった。こうした商品は期限が迫る物に対して最後は90%オフにして叩き売りにして試みてみたが、それでも売れ残ってしまいせっかくの良い製品がダメになったことが残念でならない。


それでも7月から新しい年度に変わって心機一転またビジネスがスタートする。9月のリース切れでこの店を閉めるか、それとも今の借金を返すためにもまだ店を続けるか、9月以降の家賃は大幅に下がるがしかし閉めるも地獄、また続けるも地獄どちらをとってもいいことな無い。この地獄から抜け出せるのは今のところ日本人の観光客がまた戻って来てくれるしかないような気がする。