ミス、マリメッコ

期待していたこのスクールホリデーの期間中もオーストラリア各州のロックダウンを受けてか今一つ盛り上がらない。特に9日まで実施されるシドニーでのロックダウンは痛かった。この季節、ケアンズは過ごし易いので本来なら寒い南の州からの旅行者を期待したがレストランのような飲食とは裏腹にうちのようなお土産屋さんはパッとしない。


そんな状況の中、数少ないローカルのお客さんだが週末を中心にうちの店に足を運んでくれる。昨日も年を重ねて洒落て見えるローカルのご婦人がふらっと店に訪れてお買い物をしてくれた。彼女は「普段、お土産屋さんには入らないけど何となく入ってみた」と言うと「ちょっとあなたの店は違うわね」と店内の商品をじっくりと見て回り出した。


自分も最初は特に期待はしてなかったけど話好きのこのご婦人の会話に合わせて色々と話が進むにつれて、実はこのお客さんブランド品が好きなんだということが分かって来た。マリメッコのトートバッグを持ち合わせていて「知っているの?」言われたので「もちろん、フィンランドのブランドですよね」と言ったら目を輝かせてマリメッコのストーリーを話し出した。


それから色んなブランドの話をしながら、ケアンズの人が「マリメッコ」のバックを持っているのを初めて見たと言ったら俄然気を良くして「これを探していたのよ!」とブリキの塵取りや馬の毛のブラシなど今回かみさんがセレクトしたお洒落な商品を選んで買ってくれた。会計が終わって自分が「あなたのことを”ミス、マリメッコ”と呼ぶね」と言ったら微笑みながら「今度、娘と一緒に来るわね」と言って店を後にした。ちょっとした週末の楽しい時間だった。