幸せな人生

元プロ野球選手で中日や日本ハムで活躍した大島康徳さんが先日大腸がんのため亡くなった。この人が最後に綴った「この命を生ききる」というブログは人生について、また生きることについて自分の中であらためて考えさせられたものだった。最後となったブログにはシンプルな文章の中にこれ以上ない生き方の価値が詰まっていた気がする。


1年という余命宣告を受けてから4年、「生きる」という意味を考え続けた大島さん、死期を感じた先月の終わりに妻に代筆を頼んで綴ったブログには「幸せな人生だった」と記されている。「これ以上何を望む」「もう何も望まないよ」、そして最後に締めくくった文章には命には必ず終わりが来る、その時が来るまでしっかり人生を生ききるという内容だった。


人の死は様々な形でやって来る。時としてその準備が出来ないまま突然に迎えることも無い訳ではない。もし、その境地に至り死を迎え入れる時間の中で「幸せな人生だった」と振り返ることが出来たなら、それはその人にとって素晴らしい人生だったのではないかと思う。与えられた命の時間をしっかり生きる、いつかやって来る人生の終幕を幸せな気持ちで降ろしたい。


今日は七夕、残念ながらケアンズはどんよりした雨模様で今年の七夕は夜の空に優雅に漂う天の川は見ることが出来ないだろう。去年の七夕は早くコロナが収束するようにと願いをかけた。今年の短冊には「家族3人が揃ってこれから幸せな人生を送れるように」と願いを込めて庭先の木に吊るしてみたい。