ごめんなさい。

バンディクートという名前の動物、ちょっと聞き慣れない名前かもしれないが、オーストラリアに棲息する有袋類としては胎盤がある珍しい種の動物だ。日本人には耳が長く伸びたビルビーと呼ばれるバンディクートがお馴染みかもしれない。このビルビーは現在、絶滅危惧種に指定されて保護動物になっている貴重な存在だ。


カンガルーと同じように夜行性で昼間は森の茂みや2メートぐらいの穴を掘ってその中で暮らしている。木の実や昆虫を主食にしていて、体長は30センチぐらいでウサギとほぼ同じだ。内陸では地上で昼間40度を超える猛暑の中で、このバンディクートが掘った穴が毒ヘビやウサギなど他の動物の避難の棲みかとして保護に一役買っているという。


先日の夜、帰宅中に家の目の前の道路で突然小動物が車に目がけて突進して来た。「えっ」と思って最初はちょっと大きいネズミだと思ってそのまま車を走らせたら、何か後輪で「ボコッ」という鈍い音と共に乗り上げたような感じがして、「まさかっ」とすぐに車から降りて見てみると大きなネズミが道路の隅に横たわっていた。


「あ~あ、踏んじゃった」と思った瞬間に「あっ!」と思って良く見ると鼻先が尖っていて一目でバンディクートだと分かった。それはこの辺に棲息する「シモフリコミミバンディクート」と呼ばれる小耳が特徴のバンディクートで、残念ながら既に息が絶えていた。「何てことをしてしまったんだ」と今だに引いてしまったこのバンディクートのことを後悔している。