新たな課題

オーストラリアのワクチン接種も州によってはかなりのスピードで進められている。ロックダウンでダメージの大きいニューサウスウエルズ州のワクチンの接種率は、1回目を終えた人で78%を超え、2回目に至っても46%を既に超えている。このまま順調に進めば10月の終わりには目標である80%のワクチン接種が完了する。


べレジクリアンNSW州首相は接種率が80%に達した後の行動規制について言及したのが、社会解放後の未接種者に対しての規制は続くとしたもので、2回目を完了した人は証明書を提示することで自由に小売り店やレストランあるいは飛行機での旅行が可能になるが非接種者はその対象に含まれないと語っている。


今後、この政策は議論を呼ぶことになると思うが、例えば打ちたいけど宗教上の問題や身体の体質上の問題でワクチンを打てない人をどう救済して行くのか、また、打たない人に対しての社会の中での差別をどう取り除いて行くのかなど課題は色々ありそうだ。ワクチン未接種で店を追い出すというのは店側もあまり気持ち良いものでは無い。


フランスではワクチンパスポートを巡って市民間で暴動も起こっている。イギリスではこの政策についていったん取り消された。ワクチン接種がどんどん進むにつれて、平行して今後の社会の在り方も新たに浮かび上がって来た。オーストラリアはこの先、ウイルスとの共存を選ぶ上でどのような社会を築いて行くのだろうか。