マグパイの攻撃

「マグパイ」、何か美味しそうな名前だが実は食べ物の名前ではない。マグパイとはオーストラリアほぼ全土に棲息する黒と白の羽が特徴の鳥だ。一見みるとカササギに似ているけどカササギではないらしい。日本名は「カササギフエガラス」といってユーカリの木などに巣を作ることが多いオーストラリアではお馴染みの鳥だ。


マグパイは春の7月から9月にかけて繁殖期を迎え、この時期は特に巣に育つヒナを守るために攻撃的な性格になることで人を襲うことが多い。先月の8日にブリスベン市内の公園で両親と訪れていた生後5カ月になった女児がマグパイの襲撃で犠牲になるという痛ましい事故が起こってしまった。


公園で遊んでいたところ突然マグパイの攻撃に会い、パニックになった母親が女児を抱きかかえて逃げる際につまずいて転んでしまい、その時に頭に怪我を負った女児はその後病院に運ばれたが死亡した。これを機に自治体はマグパイの注意喚起を促すための看板などを設置して対策に乗り出したそうだ。


マグパイは自転車など特に早い乗り物に対して攻撃する習性があり、自転車に乗る人はヘルメットに結束バンドをピンピンに張らしてその攻撃から身を守っているということだ。また歩行者は傘を差して対処しているそうで、自治体ではマグパイのいる広場などに傘置き場を設置して瞬時の攻撃からの対応を行っているらしい。


ヒッチコック監督の映画「鳥」を彷彿されるような内容だが、実際にはマグパイの中でも10%ほどに過ぎないオスがこのような行動を起こすそうだ。自分の実家がある江の島でもトンビが弁当などを食べているとそれを狙って攻撃してくるので注意する看板が出ていたのを思い出す。この時期オーストラリアに来た際には是非マグパイには気を付けて欲しい。