カタリン・カリコ氏

昨日、ノーベル医学生理学賞が発表され、熱などを感じる仕組みを研究した二人のアメリカ人の研究者が受賞した。今日はこの後ノーベル物理学賞が発表されることになっている。この部門で日本では1949年に核力の理論的に基ずく中間子の存在の予想を唱えた湯川秀樹さんが初めて受賞したのを皮切りに、これまで8人の人がこの賞を受賞していて日本人の得意分野だ。


この賞はこれまでもアインシュタインやキューリー夫人など名だたる人が受賞している。昨年は「ブラック・ホール」に関する研究で大きな成果を上げたイギリス人の研究者が受賞したが、これもアインシュタインの一般相対性理論によってブラックホールの形成を証明したことが評価されたものだ。


日本人がもし受賞となれば2015年にニュートリノ振動の発見で受賞した梶田隆章さん以来6年ぶりとなるが果たしてどうだろうか? そして今年は何と言ってもノーベル化学賞の受賞に期待がかかるドイツのバイオ企業ビオンテックの上級副社長を務めるカタリン・カリコ氏ではないだろうか。


40年に渡って遺伝物質のRNAの研究を続けながら、今回ファイザー社やモデルナ社がパンデミック収束の切り札として送り出したmRNAワクチンの開発に貢献してきた。そして今後もがんなどの応用に期待がかかる体内でタンパク質を作るmRNAの実用化に向けて動き出している。この分野は一昨年にリチウムイオン電池で受賞した吉野彰さんなど日本人も得意な分野だが果たしてどうだろうか? ノーベル化学賞は明日発表される。