ウイズコロナの幕開け

シドニー大都市圏では2回目のワクチン接種率が70%を超えてロックダウンが107日ぶりに解除された。市内ではパブやレストランの他、小売店などが再開して接種証明があれば自由に利用できることになった。昨日は零時を過ぎた段階で待ち兼ねたように大手小売り量販店などに多くのお客さんが行列を作ったそうだ。


ペロテット新ニューサウスウエルズ州首相は「今後はコロナウイルスとの共存を学ばなければいけない」と述べ、新しい社会の規律の中でのウイズコロナの幕開けを宣言した。今後は今月下旬にも達成される見込みである接種率80%を超えた段階でさらなる緩和策を発表して行くことになりそうだ。


一昨日発表されたニューサウスウエルズ州の新規感染者は498人で500人を下回った。これはロックダウンによる感染防止策も然ることながらやはりワクチン接種の効果が大きいのではないかと思う。日本もそうだけど集団免疫の獲得により感染者が見る見るうちに減って来ている。


今、ウイルスは確実に弱毒化している気がする。ウイルスは頭が良い。人々の免疫の獲得に気付いたウイルスはこれからも生き延びようと今は感染力を弱めて様子を伺っているのかもしれない。そして世の中が感染から収まり人々がコロナウイルスの事を忘れかけた時に再び変異して逆襲に出て来るのかもしれない。


ペロテットさんの言う「ウイルスとの共存」の時代が来たように思う。これからもしばらくの間、人々はこのウイルスに容易に感染する機会を持つことになる。我々は今後、重症化にならないように細心の注意を払い、季節風インフルエンザのように軽症で済むようワクチンや経口薬の力を借りながら、このウイルスと上手に付き合って行くことになるのではないだろうか。