全国に先駆けて

ニューサウスウエルズ州のペロティ州首相は海外からの2回接種済みの旅行者に対しての隔離を免除する措置を打ち出した。「11月1日よりN.S.W州民はブルームに行けなくてもパリに行ける」と粋な発言をしている。今だに他州・準州がN.S.W州に対して国境を閉ざしている状況を皮肉ったものだ。


新しく選出されたペロティ首相はコロナ禍にありながら何とか経済を動かそうとこの局面でも前向きに捉えようとしている。昨日もこのフライングのような発言に対してモリソン首相も最終的に決めるのは連邦政府だとして、海外に残されたオーストラリア人並びにその家族が優先と帰国者を最初に向かい入れて海外旅行者は次点だとペロティ首相に釘を差している。


でも、こうした考えを持つペロティ州首相は有難い。ニューサウスウエルズ州はワクチン接種が他州に比べて格段に進んでいることも背景にあると思うが、我がクィーンズランド州の党首は国境の再開には消極的であまり前向きには捉えていない。州民の考え方の違いもあるがこの州は感染者が極めて少ないのでワクチン接種も思うように進んでいないのが実情だ。


「パリに行ける」と言ったフランスはすでにオーストラリアや日本などグリーン・ゾーンに指定された国ならば接種証明と陰性であれば隔離無しで入国できる措置が取られている。ペロティ首相の発言が今後、国境再開に向けてオーストラリア国内に更なる一石を投じる大きなうねりになってくれたら嬉しい。