海外旅行の日

あさって10月19日は「海外旅行の日」、10(遠く)に19(行く)で海外旅行らしい。ちょっと苦しい語呂合わせだがそんなもんだろうか。もし、この日に合わせて自由に海外旅行に出かけられたらどんなに良かっただろうか。来年の10月19日にはマスクなんか要らない笑いがこぼれる日本人旅行者の顔が見られる筈だ、もう少しの我慢。


この日が海外旅行の日なんて知っている人は相当な海外旅行マニアではないか。普通の人なら恐らく知らないだろうね。日本ではコロナが終わって一番行きたいところはやっぱりハワイが断トツらしい。ケアンズはコロナ感染も無くて安全なんだけど、残念ながらトップ10にも入っていない。今は日本の旅行代理店ではとにかくハワイを一押しに挙げていると販売店の人も言っていた。


ところで旅行マニアなら知っているかもしれないけど、日本で海外旅行が自由に行けるようになったのは1964年4月1日から。それまでは一般の人が海外旅行に行くことは出来なかった。当時は海外に持ち出せるお金が500ドルまでと制限されていたらしい。この頃はまだ固定相場の時代なので1ドルは360円と決まっていた。


この時に先陣を切って旅行会社が組んだ団体旅行が「第1回ハワイダイアモンドコース旅行団」というオワフ島やマウイ島を周遊する7泊9日の旅が企画されて、その料金は食事も合わせて合計36万4千円だったらしい。これは当時の大卒の初任給が2万円ぐらいだったので、ちょうど1年半分の稼ぎに匹敵する高額な旅行代金だったそう。


その後、海外旅行がピークを迎える90年代前半には年間1千万人以上の旅行者が海外に繰り出して行った。この時はちょうど団塊世代が馴れ親しんだ団体旅行から60年代生まれの自分たち世代が個人旅行で楽しむ新しい旅のスタイルに変遷して行った時代だと思う。それから30年が過ぎて今の海外旅行は自分を磨く投資の時代なんて囁かれ始めている。


しかしこんな昔の蘊蓄を並べても今はまだ自由に海外旅行には行けないのが現実、もう後少しの辛抱だ。コロナが収束して再び日本人観光客がケアンズ空港に降り立ったその当日は、是非とも特別な日として語呂に関係なく〇月〇日は「ケアンズ観光復活の日」として万雷の拍手を持って降り立つ人を迎え入れたいと思う。