21歳の誕生日

今日は息子の21歳の誕生日、オーストラリアでは21歳の誕生日は特別な意味を持つ。もともと日本で言う成人 に当たる年はオーストラリアでは18歳、この年になると選挙権が与えられ、またお酒も飲めるようになれる。だから18歳になると盛大に祝ってあげるのが通例だ。


もう一つ、もともとオーストラリアは1973年までアメリカと同じように21歳が成人と認められる年齢だった。ただこの時はベトナム戦争の最中で選挙権も無い未成年が戦争に繰り出されるのはどうか?という議論のもと成人になるのが18歳に繰り下げられたという経緯がある。


だた今でも当時の名残から21歳は「ビッグ・バースデー」として盛大にパーティーをやって誕生日を祝ってあげるのが慣例だ。そして晴れて大人としてひとりで自立して生きて行くように両親からこの時に鍵を渡される、今日はその人生の節目の日であるはずだったが息子には取り留めて何もしてやれない。


友達を呼んでパーティーをするわけでも無く、どこかレストランで美味しい食事をするわけでも無く、自分たちの夕方からの予定はウーバ―のデリバリーの仕事だ。息子は敢えて自分たちに何もしなくていいと言った。唯一何か欲しいものは無いかと尋ねたらイヤホンが欲しいと言うのでプレゼントした。


それだけだ。後は日本人のケーキ職人に作って貰ったケーキで今晩3人でお祝いをするのが予定になっている。コロナ禍で迎えた21歳の誕生日、あまりにも寂しい「ビッグ・バースデー」となった。いつの日か改めて今日出来なかった分を盛大に祝ってあげたいとかみさんともども思っている。