あれから17年

何年振りだろうか? 今日、ファヒーナと偶然に市内の郵便局で会った。そう言えば前回に会った時もこの郵便局だったのを思い出した。しかも同じこの時間だったような気がする。朝、お店に行く前に郵便局に寄って郵便物をピックアップするのが日課で、それで同じこの時間に彼女とここであったのかもしれない。


ファヒーナは自分のウィンドサーフィン仲間だったリックの奥さんで、温厚で人当たりの良い物静かな女性だ。ケアンズで挙げた自分たちの結婚式にも招待した親友である二人は、90年代からのウィンドサーフィンを通じて知り合った昔からの友人としての間柄だった。リックが亡くなってもう17年が経つ。ファヒーナは今も彼女の心の中にずっとリックがいてくれていると今朝しみじみと語っていた。


「そう。。もう、17年になるの。。。」とファヒーナに言われて改めてそんなに経ったのかと月日が流れるのが本当に早いと実感した。リックは昔、日没の遠い海の沖合いで突然ウインドサーフィンのマストが折れて岸に帰れなくなった自分を助けてくれた恩人でもある。回りを見渡しても誰もいない海の上で、リックがその時の自分を探してくれて、直ぐにライフセイバーに連絡を取ってくれたことで自分は助かった。


その時のことは今でもはっきり憶えている。あの時リックがいなかったら自分はどうなっていただろうか。。。ファヒーナはハニカミながら「あなたがまだケアンズにいたなんて知らなかったわ、また会えて良かった」とリックのことを思い出したのか深く息を呑んでいた。
別れ際に「まだ店はやっています。今度是非いらしてください」とまた会えることを楽しみにしていると伝えて彼女を見送った。