生きがい

今朝、妹から「お父さんが目まいで自転車から転倒して打撲した」とメールが来た。すぐに父親に電話したところ元気な声で出たのでとりあえず安心した。「大丈夫か」と尋ねたら自転車の籠に町内会の配達物を詰めすぎてよろけて転倒したと言っていた。「目まいがして転倒したのか?」と聞いたらどうやら違うらしい。


父親は最近あんまり妹が電話をして来ないんで、ちょっと心配させたかったと言っていた。「俺はもう86歳だぞ、何があってもおかしくない年齢だ、このところ、あいつは全然電話を俺にかけてこない」と言っていたが、つまりもっと気にして欲しいんだとそういうことで妹にちょっと大袈裟に電話したようだった。


父親は町内会の仕事で生きがいを感じている。定年退職して社会に携わって来たのはこの町内会の役割だけだった。今も自転車に乗って朝晩と町内会館の戸締りを任されている。電話をしても出ない時は殆ど町内会館に出向いていて、「さっき電話したんだけど」と言うとだいだい決まって会館に行っていたと答えることが多い。


父親は一人ぼっちなので妹が実家に帰るのを本当に楽しみにしている。ただ妹の方も忙しくて月に1度ぐらいしか帰れないようで、それで「電話ぐらいしてこい」と思ったようだ。だから父親には今も尚、町内会の仕事があって良かったと思っている。孤立せずに何かの形で社会と繋がっているということは高齢者にとってとても大切なことだとあらためて感じる。