黒い悪魔

タスマニアン・デビルが3000年ぶりに本土に還って来る!というニュースが報道された。タスマニア島にしか生息していない絶滅危惧種の有袋類で、現在は島に2万5000匹しか残っていない。90年代までに15万匹が生息していたが、顔面に腫瘍ができる謎の伝染病により近年ではその個体数が激減してしまった。


そこでこの島で汚染されてしまった伝染病から救うためにプロジェクトチームによる繁殖プログラムとしてNSAW州の北部保護地区に26匹のタスマニアン・デビルを放ったと報じている。夜に森の中で叫ぶ声が悪魔に似ていたことから「黒い悪魔」と付けられてしまったが、実際は臆病な動物で攻撃でもしなければ人間や家畜を襲うことは無いという。


以前はオーストアラリア全土に棲息していたが、ディンゴ(野犬)がヨーロッパから持ち込まれると捕食により数が減り続けてそのまま絶滅、ディンゴが放たれなかったタスマニアだけにタスマニアン・デビルは生き延びることができたそう。 羊泥棒の汚名を着せられ懸賞金をかけて乱獲を進めた結果、1936年に絶滅したタスマニアン・タイガーのようになるのでは。。。と現在は懸命な保護活動が続いている。


NHK「おかあさんといっしょ」の番組で「デビる・ビビる・ガンバる」の唄に使われた「黒い悪魔」はこちらでも日本の子供に人気者となった。自分がケアンズに来た頃はここの動物園でも飼われていたのを憶えているが、このオーストラリア固有の憎めない愛敬者を是非、将来の子供のために残してほしい。