息子の出発が迫る

1年半近く実家にいた息子が来月シドニーに戻ることになった。オンライン授業で実家にずっといたがシドニーもコロナが落ち着き来月から大学に戻ってしまう。昨日は使っていた部屋の片付けや荷物整理などをしながら半日かけてその出発の準備に費やした。そしてそのきれいに整えられた部屋を見ながらかみさんはしばらく黙ってその場に立ちすくんでいた。


一昨日の土曜日は息子が率先して芝刈りをしていた。夕暮れ時、家に着いて車をガレージの前に止めると芝を刈った匂いがする。「えっ?」と思って庭を見ると芝がきれいに刈られていた。すぐに車から降りて息子に「芝刈りしたの?」と尋ねると「した」と答えた。「最後に芝刈りぐらいするか」とでも思ったのだろうか? 


ラーメン屋さんのアルバイトも終わって今はのんびりと家で過ごしている。昨日はまだ途中だったぺーバー(敷石)を自分と息子で敷いて殆ど完成させた。後はかみさんの更なるリクエストであるゴミ置き場のところに大きなぺーバーを敷く予定だが、それが最後の息子の奉公になる。


ずっと3人でいたので息子が行ってしまうと寂しいが、今はとにかく無事に大学を卒業して早く自分が目指している建築の仕事を見つけて欲しい。かみさんもそれを一番望んでいる。いつも口癖のように「ケアンズにいたらダメ、都会でいろいろな経験をしないと」と言っていた。ただ、出発する当日のかみさんの顔は今から絵に書いたように想像できる。