最後かもしれない芝刈り

昨日は天気も良かったので芝刈り日和、車のトラブルで出来なかった本当なら先週にやろうとした庭のあちこちでボウボウに伸びきった芝を刈ることが出来てすッきりした。息子が芝刈り機で芝を刈り、自分はエッジカッターでエッジに伸びた雑草を刈って整えた。夕方までには伸びた芝をすべて刈り終えて、庭は見違えるようにさっぱりして気持ちが良い。


息子がこうして芝を刈るのも恐らくこれが最後、来月初めには息子はシドニーの大学に戻ってしまう。卒業した後はシドニーで建築の仕事に就くことをすでに決めているので、もうケアンズに戻って来ることは無い。ケアンズは息子の生まれ育った故郷だが、その故郷にもこの先戻ることは無いのだろう。


16年間も慣れ親しんだこの家だがこの先いつか手放して自分たち夫婦は日本に戻ることになる。かみさんはしばらくこのケアンズにいることになるが、この先、息子にはもう帰る家も無くなるのでケアンズに戻る理由はない。寂しいけどこれが現実、だからこれが最後の芝刈りになるかもしれない。


芝を刈った匂いのする庭で椅子に腰かけ、沈んで行く夕日をずっと見ていた。こんな光景はいつか見られなくなるんだろうなと思うとやはり寂しい。だからこの光景をしっかり目に焼き付けておこうと暫らく見ていた。息子と芝をいっしょに刈るのはけっこう楽しかった。息子も分かっていたのか黙ってもくもくと芝を刈っていた。