今後の糧に

掃除に行ってる運送屋でゴミに出た空き缶やペットボトルを別の袋に集めて、それをリサイクル場に持って行って現金に変えていた。ひとつ10セントで交換してしてくれる。100本ぐらい貯まるとそれを持って行って変えてもらっていた。そのリサイクル場はプールに行く途中にあるので都合が良かった。


こんなことをしているなんてあんまり声を大にして人には言えない。収入が乏しいからこんなことも平気でするようになった。家庭でも出る空き缶やペットボトルももちろん捨てないで貯めて置く。これを見ている息子は黙って何も言わない。ひたすら集めている自分に悲しい顔を向けてただずっと黙っていた。


車の中にこれを入れる段ボールの箱が置いてある。車を止めた時に道路に落ちている空き缶や空き瓶を見つけると拾って箱に入れていた。「これは環境にも良い」なんて自分で自分を慰めながら拾っていた。ほんと、追い詰められているなと感じていた。ゴミがお金に見えてしまうのだから。


掃除の仕事も止めるのでもう空き缶やペットボトルは貯められない。家で出たのはこれからもちびちび集めるけどそんなに貯まるものでもない。今までは義務のように集めていたけど、もうこれからはむきになって集めなくてもよくなるかな? コロナの時にはこんなこともしていたなとこの乏しかった気持ちをこれからの糧にして頑張りたい。