捨てられない

最近は物がなかなか捨てられなくなった。例えば歯磨き粉、コロナ禍前はあんまり気にしなかったけど、今は金のチューブリンガーを使って最後の最後までこれでもかというほど絞り出して残った歯磨き粉を使い切る。さらにそれでもまだ出ないかと爪の先が痛くなるまでまだ絞り出して完全に無くなったらゴミ箱に入れる。


歯ブラシも同じで前は1カ月使ったら捨てていたけど、今は毛先がよれて殆ど開いてしまっている歯ブラシでもまだ使ってしまう。磨いている時に完全に磨き心地が悪くなるまで使ってこれくらい使えばいいだろうと思ったらゴミ箱に捨てる。髭剃りのシェービングフォーム何かもシューッと音がかすれるまで使い切る。


コロナ前は何でもザルのようだったがコロナの世の中になってから自分は変わった。ホチキスの芯も折れて2~3本しかなくても最後まで使うし、鉛筆も短くなって持てなくなるまで使う。短すぎるまで使うので今は芯の先をナイフで削っている。草履も片方の鼻緒が切れても大丈夫な方は捨てないで取っておく。


しかし考えてみればこんな風になったのもすべてはお金に乏しくなったからだ。昔のようにまともに給料が出ていればこんなせこいことはしていないと思う。コロナになって物を大切に使うということには気付かされたけど、一方で「笊(ザル)に水を入れる」という言葉の通りいくら努力しても無駄になっている現状もまた同じザルなんだよね。