あの時の家族が再び。。。

朝から降り続いていた本降りの雨も午後からは晴れて気持ちの良い夕方になった。こうして今の季節は晴と雨を繰り返しながら乾季に向かって進んで行く。来月の初旬から始まるイースターホリデーが明けるとケアンズも暦のカレンダーが夏から秋に変わり、日が傾くのが少しずつ早まるオーストラリアは冬支度の準備を整えて行く。


日本では春休みが始まったので最近は家族連れが目立つようになった。小学生の兄弟を伴う4人家族が店を訪れて、奥さんが「ちょうどコロナが始まった3年前にここに来たんです」と言った瞬間に自分もこの家族を思い出して懐かしさが一気に込み上げた。その時はコロナの真っ只中でロックダウンで州内からの行き来しか出来なかった時だった。


当時、旦那さんの仕事の関係でブリスベンに駐在として来ていた家族で、この時に旅行でケアンズに訪れたのを記憶していた。その時、自分が「もう、店を続けるのはダメだと思う」と言ったことで、今も店がまだあるか心配していたそうで続けていたのでホッとしたと語ってくれた。


コロナ禍で経験した色々なことを話ながら、何とか今日まで生き延びて来たことを伝えた。
この家族は今は日本に帰国して今回旅行で再びケアンズに来たということだった。ただ、自分は今年の10月いっぱいを目途に日本に帰国する旨を伝えると「寂しいですね」と神妙な顔で答えていた。最後に皆なで記念撮影をして笑顔でこの家族は店を後にした。そして自分は有難うございましたと手を振りながら、この家族の姿が見えなくなるまで店の前で見送った。