想いを馳せる

昨日は二度目のマンゴーピッキングで疲れた、疲れた。女子が箱に詰めたマンゴーをひたすら運んでパレットに積んで行く作業を繰り返すこと10時間、最後の方はもうヘロヘロになって倒れそうだった。只々時間が経つのが早いことが救われる、暗中模索の中で仕事をしているそんな状況だ。


この仕事は朝が早い、6時にケアンズを出発して道中2時間半をかけてマリーバのさらに先にあるマンゴー園へ向かう。地平線が広がる高原をひた走る途中で車にはねられて道端に横たわるカンガルーを何匹も見た。有為無情なアウトバックの世界がさらに続くとここはもう自然しかないと実感できる場所だ。


いっしょに働いている仲間は台湾や香港から来たワーキングホリデーの若者たちで、その年の差は40以上あると思うが、この農場で働くのに年功序列などのしきたりは一切ない。みんな同じように働くのだ。自分もこの若者たちに敬意を持っていっしょに働いている、この経験はなかなか出来ない。


いつか書き留めた遠い昔に横浜から船を渡ってケアンズの地を踏んださとうきび畑で働く開拓団の一行を思い出した。時代は変われど当時のさとうきび畑で過酷な中でも働いた人たちと今の自分を重ね合わせて見た。その時とは条件が全然違うけどちょっとだけ当時の先人たちの気持ちが伝わって来た。