帰国したいが。。

連邦政府はオーストラリア国民に対して海外旅行などを含む海外渡航禁止の措置を来年3月17日まで延長する事を決めた。コロナに因る世界情勢は依然として厳しさを増している為、安定しているオーストラリアに至っては国民の安全を保障する目的で世界情勢が安全になるまで予断は許さないという事だ。


今年の3月から始まったこの渡航禁止措置だが、当然のことケアンズで暮らす多くの日本人は出来るだけ早く祖国に帰りたがっている。自分やかみさんもそのうちの一人だが故郷に帰って両親や身内に会いたい気持ちは皆それぞれ同じだ。特に自分たちの親はすでに高齢に差し掛かっていて、これがもしかしたら最期になるかもしれないと何処かで心に決めている人も少なくない。


8年前に両親と家族みんなで御殿場と箱根を一泊かけて旅行した記憶が思い出に残る。窓辺の枠から富士山のすそ野が望める絶景のホテルで夜は露店風呂に浸かり、当時まだ小学生だった息子とサファリパークでジャングルバスに乗って初めて見るトラやライオンに感動した記憶が昨日のことのように思い出される。


これが母親と行った最期の旅行になったが、3年前の母の3回忌では久しぶりに父親と妹の3人で横浜の山下公園をのんびり歩くことが出来た。その父親も残された時間は少ない。かみさんの母も最近は元気が無いらしくかみさんもだいぶ母親のことを気にしている。コロナは帰国して家族に会うこんなささやかな楽しみでさえ無情にも奪っている。