蜂の力

好景気が続いているらしいWA州パースで、今度は医学研究所が最近掲載した論文にミツバチの毒針が進行性乳がん細胞を迅速に死滅させることが出来たと発表。マウスの実験で蜂毒の主成分を既存の化学療養薬剤と併用すると癌を抑えるのに非常に効果があったと伝えている。


以前から蜂毒は顔のハリや艶など美容にも効くとうちでもこの手の商品は販売していたが、乳がんに効果があることは初めて知った。さらにこの研究所の博士は「パースのミツバチは世界的にも最も健康的な群れだと思う」と述べているが、西オーストラリアの蜂は確かに優れているのかもしれない。


西オーストラリアに咲くジャラというユーカリの花から摂れるジャラハニーというハチミツは抗菌作用に優れていて、うちでも「ピロリ菌に効く」とすごく人気があった。免疫効果も期待されて特に風を引きやすい人や口内炎に悩んでいる人なんかに好評で、やっぱり蜂には何か不思議な力があると思う。 参考までに西オーストラリアでこのハチミツを作っているオジサンは生粋のオージーでハチミツといっしょで天然の抗菌のようなピュアな人物だ。


もう一つ、ニュージーランドのマヌカハニーも抗菌では有名で、近年は抗ウイルス薬のリレンザやタミフルとこのマヌカハニーの抗相乗効果が期待されていて、この薬を単独で使用するよりマヌカハニーと併用することでリレンザやタミフルの使用量を1000分の1近くまで減らしても同等の抗ウイルス効果が得られるということで、ここでもやっぱり蜂の力って凄い!

町の惨状

一昨日にブリスベンから来たクイーンズランド州の大臣など政府要人が開催した会合に出席して、今後の州政府のサポート等など方針のあり方などを伺って来た。驚いたことにこのミーティングに出席した日本人は自分とかみさんだけで、他のアジア人でも参加した人は一人も無く、全てオーストラリア人だけの出席だった。日本人に限らず他の観光に従事する外国人たちはどうしたんだろう?と思った。


このミーティングの議題は今後のケアンズの事業主に対するサポートをどう行っていくかというもので、まず挙げられたのは家賃の減額の延長期間のことで、殆どの事業主はこのことに集中していた。幸いにも州政府は年内いっぱいまで減額の期間を延長する方向で進めているということで、決定では無いが少し安心した。


ただ、この会議の趣旨は既に海外からの観光つまり海外観光客に依存するのでは無く、オーストラリア国内の雇用の継続と地元産業の創生のために政府が我々に何が出来るかという内容の話合いで、海外からの観光客を呼び戻すようなものでは無く、やはり自分たちが想像していたことが的中した結果になってしまった。


ケアンズから 西オーストラリアのパースに移って飲食店を経営する知人が言うには、「パースは今、プチバブルでコロナの影響は殆ど無い、パースにはお洒落なお店が無いので皆なそういう物を買いたくてうずうずしている」と言う。俄かに信じがたいがパースの内需が好調なのは聞いていた。ほんと場所によってずいぶん違うなと思った。鉱山関係など仕事で赴く駐在の日本人も多いと聞いているし、パースで観光に就く人はケアンズに比べたら全然少ないのだろう。


先日も市内中心にある大手免税店が全ての従業員の解雇を告知したようで、ここは依然厳しい状況に変わりはない。ケアンズでは5人に1人の割合で人々は何等かの形で観光業に携わっている。政府の人はこのケアンズの夜の市街を見て回っていたが、彼らはここで殆どの店がシャッターを閉めているこの惨状をどう感じとったのだろうか?

キョンが救う?

千葉県の房総半島で鹿のキョンがここ最近増え続けていて農家の田畑を荒らしたり民家に侵入して家庭菜園などに被害を加えたりとその対応に追われているニュースが出ていた。もともと中国や台湾から運び込まれた指定外来種の鹿で、今は日本固有種の動物にも影響が出ているそうだ。日本の鹿よりも小さく見た目はすごく愛らしい動物で、オーストラリアで言うならワラビーみたいな感じかな?


このやけにすばしっこくて厄介なキョンが今回のコロナ感染に一役買っていると言うことで、今まで害獣として扱われて来たこの動物に今、日の目が当たっているらしい。このキョンの皮には殺菌する効果があるようで、その皮を使ってマスクの内側にフィルターとして使用することでウイルスを殺菌して感染防止の効果に繋がるそうだ。


以前、ダチョウ抗体の研究をしていた人がダチョウの持つ免疫力を使って、同じようにマスクの内側にフィルターとしてウイルスを防ぐダチョウ抗体マスクを考案していたのは知っていた。もともと強い免疫力を持つダチョウには今回のコロナウイルスにもいろいろ活用が出来るのではないかと言われて来たが、ここに来てまさか鹿のキョンがコロナウイルスで役立つとは想像もしなかった。


当のキョンの方は捕獲の際にくくり罠を仕掛けて捕らえられる様子が映像に映っていて、くくり罠にかかって泣き声をあげている様子はちょっとかわいそうだったが、千葉県はこのコロナ禍が終息したら是非この房総で皮になったキョンを称えて欲しいと思う。森田健作知事も青春ドラマでは海辺で洗っている豚を逃がしてしまったが、今度の鹿はもし洗っても是非、逃がさないでいただきたい?